財布・現金・カードに物理的制限をかけてもパチンコ・スロットは引退できない

引退体験談

パチンコ・パチスロを辞めようと思った方や、パチスロを辞めさせたいと思っている方が、その対策として取り組むことが「現金を持ち歩かないように制限する」ではないでしょうか。

確かに、現金がなければパチンコ・パチスロは打てませんので、これは有効な策です。しかし、私個人の体験談でいうなら、これは「根本的な解決」ではなく、「ただの一時しのぎ」でしかありませんので、再発・リバウンドの危険性は常に内在します。(現に、私もこれで何度も失敗しました。)

禁止・制限はあくまでその場しのぎ。根本的な解決ではない

お金に制限をかけることは、パチンコ・パチスロを辞める上で、確かに即効性のある対策です。

そもそもパチンコ・パチスロは現金がないと遊べませんので、その現金さえ持ち歩かなければ、打たなくて済むからです。

ただ、これは「臭い物に蓋をする」と同じことです。

一時的に引退ができても、根本的な部分、つまり「臭い物=パチンコ・パチスロを打ちたいという気持ち」自体は、そのまま変わらずに残り続けるのです。

結果、どうなるかといえば、制限をかけている間は引退できていても、なんかしらのキッカケで、「もう大丈夫そうだね」となり、お金の制限を解除してしまうと……

当然、臭い物はそのまんまですので、再び「ちょっとくらいなら……」の気持ちが発生して、気づけばホールへ立ち寄って、パチンコ・パチスロ依存症が再発します。

ちなみに、これは、自分で制限をかけても、他人が制限をかけても同じことです。

【自分で制限をかけた場合】
キャッシュレスで財布に現金を持ち歩かないようにしても、口座でまとまったお金を降ろしたり、カードのキャッシング枠もあり、「現金を手元に用意できる手段」が残ってしまうため、結局は意味ない。(自分が打ちたいと思ったら、結局、お金を降ろしてしまう。)

【だれかにお金をすべて預けた場合】
仮にお金をすべて預けてお小遣い制にしても、毎月、決まった現金を手元に持つことに変わりはないので、貯金⇒パチンコ・パチスロとなって、意味はない。また、クレジットカードなどがあれば、キャッシング枠だったり、飲み会のお金支払い→メンバーからの割り勘代などの手段で、手元に現金を作れてしまうので、意味ナシ。

そして、キャッシュの禁止・制限で一番恐ろしいことは、それまでに我慢してきた分、溜まったストレス・うっぷん晴らしをしようと、激しい再発・リバウンドをしてしまう可能性がある点です。

急激なダイエットはリバウンドの反動がすごい

私の経験上、パチンコ・パチスロのキャッシュ制限をしている期間というのは、いわゆるダイエットに近い心理状況になります。

ダイエットは、順調に痩せていくうちは良いのですが、ふとした油断をきっかけにリバウンドが起きると、ドンドン食欲は止まらなくなり、むしろダイエットを始める前より太ってしまう、という話は、よくありふれていることだと思います。とくに、短期目的で厳しい食事制限をかけてダイエットに励んでいたような人は、その後にドカ食いして、あっという間に太ります。

私は、パチンコ・パチスロの禁制生活も、これと同じだと思っています。

つまり、金銭面だけの理由をきっかけに禁制生活をしても、ふとした油断をきっかけに一度でも打ってしまえば、パチンコ・パチスロを打ちたい欲求がドンドン止まらなくなり、禁制生活の前より、ずっと散々な負け額になってしまう、ということです。

一つの結論として、冒頭でも述べたように、パチンコ・パチスロにキャッシュ制限をかけると、再発・リバウンドが起きた時に、大きな散財に繋がるリスクが常に内在するので、これから安易に制限をかけようと考えている人は、本当に気をつけて欲しいと思います。

へたな制限は依存症をさらに悪化させる

実際のところ、私はもまた、こういった【禁制生活→再発・リバウンド→大負け】というダメな経験を何度も繰り返した人間です。

そして最終的に気づいたことは、お金の物理的制限というのは、結局、金銭面を理由とした抑圧行為でしかないため、むしろパチンコ・パチスロを打ちたくなる気持ちが強まってしまい、根本的には辞められなくなってしまう悪手なんだな、ということでした。

「辞めよう」と思っても辞められず――

お金を制限しても辞められず――

そうして、こういう状況がずっとループして繰り返されていくとどうなるかといえば、もはや「辞めよう」と思っても「辞められない」ということを自覚した、タチの悪いギャンブルメンヘラになっていくだけです。

続く!

ゴミクズ