四号機の終わりで姿を消した大勢のスロプロたちを振り返ろう

引退体験談

4号機時代までのパチンコ・パチスロ業界は、法律の関係もあって、今の時代とはかなり状況が異なりました。

ざっくりいえば、昔のほうが規制はいい加減だったし、遊戯人口も多かったし、その中で知識のあるお客さんからすれば、とても立ち回りやすい環境だったのです。

昔と今は業界の環境がまるで違う

比較すると、下記の感じです。

【4号機時代】
・ホールは大々的にイベント実施
・設定台の事前示唆告知あり
・夕方から夜以降に設定示唆の公表あり
・店によっては設定(基盤数字)をちゃんと見せてくれた
・設定6の実質機械割が150%~200%以上と圧倒的
・技術介入や知識立ち回りでの費用対効果が高い
・数万円~10万円以上の投資は当たり前
・パチンコの当たりは原則出玉がつく
・その分、出玉の爆発力がダントツに高い

【5号機時代】
・イベントの禁止の方向へ
・設定関連の示唆禁止の方向へ
・設定6でも機械割119%ぐらいが限界
・技術介入もかなり減少
・パチンコは2通など出玉無し大当たりが発生
・レートが全体的に下がった

【5.9号機】
・出玉規制
・有利区間
・天井機能の廃止
・パチンコは継続65%規制など
・パチンコに設定機能が搭載
・もろもろ不人気爆発

【6号機】
・あの手この手でATや天井など復活
・この先、果たしてどうなるのか……

このように、昔の時代というのは、今の時代からは信じられないくらい、射幸性(レート)の高いギャンブルだったのです。

昔の高設定台と今の高設定台は破壊力が違う

今の時代のパチスロにハマっている人は、ぜひ4号機時代のスペックをチェックしてみて欲しいと思います。なにしろ機械割の数字が圧倒的に違うからです。

もちろんメーカーの公表する機械割は色んな条件の中での最高値をうまく魅せているだけですので、そのままの信用はできませんが、しかし、4号機時代までの遊戯人口の多さが、そのまま当時の破壊力の魅力だったのだと思います。

↓参考【4号機 それは狂気の時代】
https://pachist.jp/article/114715/

4号機から5号機の時代、多くのプロが辞めていった

当時はそれだけの出玉がついてきたので、プロだったり、プロのような立ち回りをしている人はものすごく多かったです。自分の知り合いでも、プロになるから大学を辞める、という人も実際にいたくらいです。

しかし、そのような中、5号機時代に突入し、だんだんとホールの規制も厳しくなると、プロの数は極端に減りました。

大学を辞めた人も、「もう無理だね。大学辞めなければ良かった」などといって、すぐに5号機時代を見限り、その後は定職に就いて働いていました。

こういった現象の動きは、そもそもホール全体の遊戯人口が減っていることからもよくわかります。

パチンコ・パチスロの遊戯人口はどんどん減っている

昔からホールに行っている人なら分かってもらえるかと思いますが、ぷらっとホールに寄った時、明らかに遊戯人口が減っている感じがしないでしょうか。

それは統計データからも明らかな事実なのです。

たとえば最大値と最小値で見れば、パチンコ・パチスロの参加人数は、平成21年は約1720万人、平成29年は約900万人です。つまり、たった8年の間に、820万人(約48%)のお客さんがパチンコ・パチスロを辞めていったのです。

↓パチンコホールの売上、参加人口、活動回数
http://www.nichiyukyo.or.jp/gyoukaiDB/m6.php

冷静に考えてください。

遊戯人口が半分近くに減っているということは、その分、ホールは店舗経営を続けるため、今参加しているお客さんから、その分の売上(収益)を搾取しなくてはいけません。そうなるとどうなるかといえば、基本、釘は辛めにしつつ、設定は入れません。もしくは、釘と設定を甘めにしつつ、換金率を下げるしかないわけです。

つまり、パチンコ・パチスロは年々負けやすくなっていることが統計データでも明らかなのです。

1日1店舗以上のペースで潰れるホール

一時期、amazonなどのネットショップの勢いに負けて、全国の書店が1日1店舗以上のペースで潰れるニュースがありましたが、じつはパチンコ・パチスロのホールも同じ状況です。

盛り上がっているホールの週末であれば、まだ昔のような活気があるので信じられないかもしれませんが、しかし、野良ホールなどを訪問してみると、すっかり散々な閑古鳥になっていることがすぐにわかりますし、そういう店から徐々に潰れていってるのです。

結果、パチンコ・パチスロ店舗の潰れるペースはすさまじく、平成28年度から平成29年度に関していえば、全国で1日に1店舗以上のペースで潰れているのです。

信じられない人は、ぜひデータできちんとチェックしてみてください。

↓平成28年度 遊技場店舗数、遊技台数一覧表
http://www.zennichiyuren.or.jp/material/report.html/tenpoindex/582

↓平成29年度 遊技場店舗数、遊技台数一覧表
http://www.zennichiyuren.or.jp/material/report.html/tenpoindex/611

ちゃんと立ち回っても負けるのが今のホール

パチンコ・パチスロ業界において、ホールは散々な状況です。遊戯人口が減り、店舗の減っている状況です。また、ペースの割合を見れば、ホールの潰れる割合より、遊戯人口の減少のほうが深刻に多いです。

ということは、ホールは今いるお客さんからうまくお金を搾取していかなくてはいけません。つまり、パチンコ・パチスロはどんどん勝ちにくい状況になっている、ということです。というか、基本的には負けることが当たり前の遊戯です。

「ちゃんと立ち回れば勝てる」

という考えは、規制がゆるく、ホールや台が良心的だった頃――すなわち大昔の常識ですので、今のパチンコ・パチスロ業界では通用しません。今の時代の常識では、ホールは一切の設定示唆(設定確認)をしてくれませんし、台が高設定であってもヒキが弱いと余裕で負ける、が正しい考えです。

設定6でも必勝ではないことをきちんと認識しておく

絆やまどマギの設定6なら、勝率8割はある。

そんな情報が、なんだか蔓延とネット上には流れています。

また、他の機種においても、設定6を掴んで一日ブン回せば、だいたいの勝率は50%~80%などといった情報がたくさん見かけますが、ここでいったん冷静に考えてみましょう。

まず、継続率80%のケンシロウはいつも泡吹いて単発で負けますし、やっとの思いで金色に輝せて魔戒を駆け抜ける牙狼さんも余裕でSTのほうを駆け抜けしてくれますし、めっちゃ豪壮に傾いている慶次さんは出番すらなく青軍に負けて撤退しちゃいますし、ゲキアツの天膳背景BTに喜んで、写メなんて撮影して「これから!」と意気込んだ結果、げんのすけさまが瞳術一つを魅せることなく、ただの日本刀の一発で切り捨てられてしまったなんてことも日常茶飯事だと思います。

80%なんて、所詮はそんな確率ですし、さらに80%未満ともなれば、みなさんご存知の確率具合で、信用なりません。

要するに、設定6も必勝ではないのです。

そして、ここで大事なことは、そんな情け容赦のない抽選を受けるために、丸一日を賭けることができるでしょうか、ということです。今の時代、設定6を掴もうと思ったら、人気のホールをチェックしたり、時には隠れイベントをやっている遠くのホールへ行ったりして、早朝から並んで、良番をひいて、朝一からむしゃぶりつかなくてはいけません。また、その際、店側が必ずしも設定を入れるかどうか、こちらは絶対に確認できず、さらには、たまにガセイベントも紛れ込んでくるのです。

こんな理不尽な抽選ゲームに、貴重な休日をすべて注ぎ込んで、貴重な人生を注ぎ続けて、それで満足でしょうか。

あくまで趣味なら良いと思います。しかし、「ちゃんと立ち回れば勝てる」なんて思って遊戯しても、バカみたいな目に味わう確率のほうが圧倒的に高いのが、今のパチンコ・パチスロなのだということを、きちんと認識して欲しいと思います。

ちゃんとやれば勝てるなんて非現実的な幻想ばかりを追い求めて、いつまでも惰性で打ち続けてしまうと、「辞めたい」のに「辞められない」というメンヘラ状態になり、最終的に自分の人生が台無しになってしまうだけです。早いところ、目を覚ましましょう。

「勝ち負けどうこう」に囚われずに「無関心」を目指そう

こういった知識、情報について、頭ではきちんと分かっているのに、それでも身体が勝手に打ち続けてしまう人というのは、結局のところ、「パチンコ・パチスロにハマっている」という状態です。勝とうが負けようが、とにかく「パチンコ・パチスロを打ちたい」という気持ちになっているだけの病気であり、これは子どもの終わりなきゲーム依存と、なんら変わりません。

私の場合、12年分の収支データ、そして30代になった現実、というのは、そういった「ハマっている状態」から、ハッと目を覚まさせてくれるものでした。そして、そこから本気で「どうすれば辞めていくことができるだろう」と冷静になって考えていき、なんとかうまく完全引退することができたのです。

というわけで、次章からは、私が実際にどのように辞めていったのか、その具体的な方法について紹介していきたいと思います。

続く!

ゴミクズ