10万円負けと想定して、試しにパチンコ・スロット以外で10万円分の豪遊をしてみた

引退体験談

私が「パチンコ・パチスロを真剣に辞めたい」と思いながら、どうしても「打ちたい」という気持ちがウズウズ残っていた最終局面において、その対策に取り組んだことの一つは、「パチンコ・パチスロに使うお金で豪遊してみよう」というものでした。

10万円の一般的な価値をしっかり実体験してみる

依存症になっている時というのは、とにかく1万円の諭吉が紙切れにしか思えない状態になっています。そして、財布に諭吉が三枚でも入っていれば、「一発当てられるかも……」なんて考えて、ついついホールへ立ち寄りたくなって、ウズウズしてしまうのです。

これははっきりいって、異常な心理状況です。とにかく正常な思考回路でないことは確かです。

そういう中で、いったん私がトライしたことは、「今月は10万円負けたと思って、10万円を必ず使い切って遊んでみよう」という試みでした。もちろん、パチンコ・パチスロは一切やらず、10万円分をきっちり遊んでみよう、ということです。

参考までに、私のやってみた体験をお話します。

【10万円で遊んだこと】
・普段は食べない高いステーキを食べてみる
・スパ施設で普段は頼まないマッサージなども受けてみる
・温泉が好きなので、近場で1泊2日の温泉目的旅行をしてみる
・格安プランで飛行機に乗っての遠方旅行をしてみる
・食べてみたいと思っていた遠方のお店へわざわざ行ってみる
・歩いてみたいと思っていた都内観光地を巡ってみる
・ガールズバーに行ってトークだけの遊び方をしてみる
・気になってた夜の店にも行ってみる
・車を借りて、海ほたるなどドライブを楽しんでみる
・デパ地下などのお高めなすいーつや惣菜を買いまくってみる
・BARなどで一人飲みをしてみる
・物産展などに行ってみて、美味しそうなものを食べてみる
・初心者歓迎のスポーツ系イベントに参加してみる
など

ポイントは、へんな節約を一切せず、正真正銘、嘘の混じりなしに、キッチリ10万円を使い切ることです。そうすることで、10万円分の価値を、きちんと身をもって体験できるからです。

注意点としては、上記のチャレンジをしようとすると、最初は必ず、「でも10万円もあるのだからパチンコ・パチスロを打ちたいな……」という欲求が起きます。また、遊んでいる中でも、「パチンコ・パチスロを打てば増やせるかもしれないのに……」などの感情も沸いてきます。

しかし、そこをグッと堪えて、10万円分の遊びを実際にしていって、色んな楽しみやくつろぎ、ストレスのない時間を体験していくと、だんだんと、「たった数千円や数万円で、これだけ楽しい時間を過ごせるのか」という気持ちが少しずつ起きてくるようになります。

私の場合、ある休日を見れば、露天風呂に浸かり、美味しいモノを食べて、マッサージで気持ちよくなって……ストレスの全くない最高の半日を過ごして、出費は1万円ちょうどくらいでした。

また、5千円ほどのステーキをほおばり、「高いお肉はこんな味がするんだ。美味しいなあ」と味わったり、行ったことのない観光地を歩き、景色の情緒や散歩の心地よさ、食べ歩きの楽しみなどをあらためて満喫したりして、休日の思い出、休日の良さを感じ取れるようになっていきました。

そうして、あらためてわかったことが、「一ヵ月に10万円も使って遊ぶと、かなりの豪遊ができる」ということでした。

パチンコ・パチスロであれば、台にもよりますが、1万円なんて10分~30分ですぐに溶けてしまいますし、半日や丸一日、ずっと遊戯していて、目も疲れて、腰も疲れて、ヤニの空気で喉も痛くなって、それでプラスになればまだしも、数万円負けになってストレスで荒れ狂うなんてこともザラですし、ヘタすれば1日で10万円を失うこともあります。

せっかくの休日がストレスに塗れて終わってしまうことなんてそっちゅうですし……本当、今にして振り返っても、クソな思い出です。

話を戻しますと、私の場合、このように10万円を使って普通に遊んでいくと、「パチンコ・パチスロを打ちたい」という気持ちはだんだんと薄れて、「パチンコ・パチスロって本当にしょうもない遊びだったな……」という正常な感覚に変わっていったのです。

引退のためにはギャンブル熱のデトックスが大事

「パチンコ・パチスロを打つこと」より、「お金を使った普通の遊びのほうが楽しい」という価値観や気持ちのほうが上回ってくると、だんだんと正常な金銭感覚を取り戻していくことができます。

私自身の体験談でいえば、手元(財布)に5,000円があった時、昔であれば、

「パチンコ・パチスロを回したい」

という気持ちになっていたところが、今では、

「1,000円もあれば色んな美味しいラーメンが食べられるし、3,000円もあれば最高の露天風呂に入れる、5,000円もあれば綺麗な人に気持ち良いマッサージをしてもらえるし、10,000円もあればちょっとしたプチ旅行もできる」

という、通常の遊びを優先する思考回路になりました。

そして、私個人の感覚にはなりますが、こういう心境になると、完全引退はかなり近づきます。

引退の近道は「パチンコ・パチスロよりも楽しいこと」を見つけること

私の経験上、パチンコ・パチスロを辞めようとする時、ただやみくもに我慢・制限するだけの辞め方が、最も辞められない方法です。

なぜなら、人間の我慢や制限には限界がありますので、時間が経過していくにつれて、「打ちたい(ストレス解消したい)」という気持ちが膨れてしまい、再発・リバウンドしてしまう危険性が極めて高まってしまうからです。

だからこそ、パチンコ・パチスロを本当に辞めるためには、「打ちたい」という気持ちより「他のことで楽しもう!」という欲望のほうが強くならないと、なかなか抜け出せないのです。

そのために大事なことは、「これやってみたいな」と思っていることが少しでもあれば、休日に予定を組んで、すぐに行動することです。そうして、実体験を重ねて、脳味噌に正常な価値観を植え付けていってあげる必要があります。

この時、「お金がもったいない」といった考えをせず、「どうせパチンコ・パチスロで負けるお金だ」という気持ちで、全力で遊んでみましょう。それが結局のところ、パチンコ・パチスロを辞めるための近道となります。

そして、「普通の遊びのほうが楽しい」という価値観を取り戻していくと、私の場合、だんだんとパチンコ・パチスロについては自然と無関心な状態になっていったのです。

続く!

ゴミクズ