1日で10万円負けも相当ですが、それと同じくらいヤバイ依存症の現れだったと思うことが、貴重な3連休をパチンコ・パチスロで浪費することです。
連休をパチンコ・パチスロで過ごす末期症状に突入
土日に加えて、祝日も繋がっている時は、楽しい楽しい三連休です。
通常の社会人であれば、同期や友達との遊び、趣味への時間、または彼女との旅行など、じつにイベント盛りだくさんの楽しい時間を過ごすことでしょう。
しかし、パチンコ・スロットにハマっているクズ、もとい、養分マンである私は、こう考えていました。
「新台ガッツリ打ち込もう!」
「旅行? そんなヌルい遊びしてられねーよ!」
「この台、今度こそリベンジ!」
「朝から並ぶぞ!」
「遠征して良いホールに行ける!」
要するに、打つことしか頭にないわけです。
そして、気づけば連休はあっという間に終わっています。いくら振り返ってみても、三日間の思い出は「パチンコ・パチスロの演出」および「出玉の収支結果」ばかりです。しかも、私の場合、こういう連休を過ごすことは一度ではなく、何度もありました。
どうしてこんな生活が続いてしまうかというと、なんだかんだ、勝っても負けても、当時はそういうパチンコ・パチスロ生活を楽しんでいたからに他なりません。
連休はパチンコ・パチスロを最高に楽しめる時間
パチンコ・パチスロにハマっている社会人にとって、連休はとてもありがたい存在です。
なぜなら、時間を気にせずブン回すことができますし、初日に負けても、翌日、翌々日というようにリベンジのチャンスがすぐにやってくるからです。
そして、連休にプラスで終われば、当たり前のことながら、焼肉などの美味しい飲み食いをしたり、大勝ちの時であれば夜の店にも繰り出したりして、良い思い出に終わります。
一方、マイナスで終わった時はどうしているかといえば……じつは、勝った時と変わりません。結局、安い値段ではあるもののドカ食いでストレス解消しながら、それでもイライラがやばい時は、ストレスを解消するべく、夜の店に繰り出したりして、遊び散らかします。
要するに、連休中であっても、勝とうが負けようが散財するということです。
そして、勝った場合は、「良い連休だった、大満足!」みたいな精神になり、負けた場合は、「もう二度と打たない。これ以上の時間を無駄にしない」なんて思いながら、気づけば翌週か翌月には打っているわけです。
……。
……。
……。
どうしようもないですね。
はい。
本当に、どうしようもないんです。
当然、通常の神経を持つ人であれば、「やばいと思っているなら辞めろよ」と言うでしょう。
しかし、当時の私はすっかり脳味噌がやられていました。というのも、連休中に最高に美味しい思いをしたことがあって、その時の成功体験が抜けきれず、何度も何度も打ちたくなっていたのです。
3連休で25万円を稼いだ快感
私はパチンコ・パチスロ生活において、「最高の連休」を味わった時がありました。
その時の収支がこちらです。
1日目:+10万
2日目:+7万
3日目:+8万
総額25万円。
これは新社会人のだいたい1ヶ月分の手取り給与といっても良いでしょう。
それだけの大金が、たったの3日で手に入ってしまったのです。それも、完全無欠のノーストレスです。ただゲームをする感覚で楽しみながら遊ぶだけでカンタンに手に入ってしまったのです。しかも、パチンコ・パチスロも健全な時間で決着がついていたので、その後、美味しいモノを食べたり、マッサージを受けたり、買い物をしたり、普通の連休としても最高に楽しかったのです。
これだけ最高の連休を味わってしまうと、もちろん、脳味噌には「この上ない快楽」として記憶されます。
それゆえに、脳味噌はその後も永遠に追い求めます。
「あの快楽をもう一度」
「あの楽しい時間をもう一度」
……。
……。
結果、ますます投資は止まらなくなり、連休をどんどん浪費していくことになります。
やってくる大負けの連休
大勝ちの連休があるということは、当然、大負けの連休もあります。
その日、私はいつものように連休初日からホールへ行き、パチスロを打っていました。
「吹けば問題ない」
「万発出すだけ」
「事故らせればこっちのモン」
そんな欲望まみれの気持ちで、サンドに諭吉を突っ込んでいき、投資はあっという間に5万円オーバーです。それから、微妙な収支の増減がありつつ、夜の20頃になって、ちょうどキリの良いところで、マイナス6万円ほど。
「明日があるから今日は撤退してやろう」
なんて思いながら退店し、近所のやよい軒で、ライスおかわり無料で満腹になりつつ、頭の中は明日の立ち回り一色になって、そのまま就寝。
そして二日目。
初日のリベンジと意気込み、朝から並び、狙いの台が取れようが取れまいが、座った台で、サンドに諭吉をドンドン突っ込みます。
「今日はさすがに一波あるだろう」
なんて思っていると、昨日同様、投資はあっという間に5万円目です。
つまり、その時点で、すでに総額投資額は10万円オーバーです。
普通の人であれば、ここが分岐点で、いさぎよく負けを認めて辞めるところでしょう。
しかし、養分・中毒者であった私は、「まだ打てる…ッ!頑張れるッ!!」という、いつもの響みたいな気概を発揮して、さらに座り込みます。
(一発。一発さえ起きれば……)
そんなことを思いながら、席を立ち、向かう先はコンビニのATMです。
最初は、「連休中は絶対に10万円予算で立ち回ろう」と決めていたはずが、気づけば泥沼。引き出す金額は、またATMに来るのも面倒だからと、迷わず同額予算の10万円です。
それからねばってねばって座り続けるも、イマイチな出玉が続いて、気づけば日も暮れて、財布の中身は7万円を切りそうな状態です。
「今日は今から吹いても回収しきれない……。明日の最終日にすべてを賭けよう」
そう決心して、なくなく退店します。
当然、二日目の夜は、すさまじいストレスに苛まれます。
激情が沸き起こり、血走った眼で、マックで頼んだバーガーポテトをバクバクと乱暴にドカ食いしてカロリーを摂取し、お風呂の中で静かに瞑想。それからまるで決闘前夜の武士みたいな心境になって、ギラギラした神経のまま、眠りに就きます。
そして、最終決戦の三日目。
「今日こそは……。これだけハマっているんだから、いくらなんでも連荘一回はするはず……!」
などと思い、頭の中はグツグツ煮えたぎったマグマ同然の状態です。冷静な思考なんてクソくらえの心境で、絶対に自分は負けるはずがないという、謎の自信が沸き起こっています。
ところがどっこい。
当たり前のことですが、ギャンブルで一番怖いのは、まさに「思い込み」です。
たとえるなら、カイジの限定じゃんけんで敗北した雑魚キャラとまったく同じ心理状況です。
ギャンブルではこういう考えが一番危ない まさに地獄に直結する道 チョキチョキチョキと来たから もうチョキはないという読みは まさに泥沼 嵌っている…………… すでに泥中 首まで…… 崩壊路……………! せせら嗤われる…… ギャンブルという魔性に…… 理ある故に無防備……… 必ず殺せる……!
「単発、単発、単発、単発、単発、単発ときたから、今度は連荘」
この考えこそ、ホールからすれば狙い撃ちです。
覚えておきたいことは、
「パチンコは、ハマっていくよ、どこまでも」
「パチスロは、6でも負ける、ヒキ次第」
ということです。
結果――
三連休という、社会人にとってかけがえのない時間を、「マイナス20万円」という、軽く死にたくなってしまうような結果に錬金術してしまったわけです。
だいたい一ヶ月分の給与を、三連休のデジタル抽選にすべてつぎ込んでしまう悲しみ。まるで真っ白に燃えた矢吹ジョーのようになって、翌日からは、また会社です。
異常なまでのストレスを抱えたまま、ハードな平日がやってきます。
……。
……。
……。
……。
これを病気と言わず、なんと呼ぶのでしょう?
そして、一番の残念なことは、「それだけの負け・ストレスを抱えても、まだ辞められない」ということです。
激しい勝ち負けが続くと、クズは開き直る
3連休に25万円勝つこともあれば、20万円を負けてしまうこともある生活です。
また、この2回だけであれば収支はプラスですが、当然、負けのほうが多いです。
結果、どうなっていくかというと、
「ああ。どうせおれは病気だよ。だから打つ☆」
などと、開き直ってしまうのです。
もちろん、負けた直後は「絶対に辞めてやる」と思っています。しかし、気づけば調子に乗って、また打ってしまっているのです。
こんな調子では、永遠に辞められるわけがありません。
いったい、どうして病気になってしまうのか
ここで、すごく大事なことがあります。それは、
いったいどうして、自分で病気だと思いながらも投資を止められない人たちは、ホールに通って養分生活を続けてしまうのかということです。
ただ、この理由はとてもカンタンです。それは、パチンコ・パチスロ自体の遊戯性、1万円を入れた時のワクワク感に夢中になってしまっているからです。
続く!
↓続きはこちら
「一万円札・諭吉を突っ込む=ドキドキわくわく」は病気のサイン